ミラクル7号の感想「ナナちゃんへの虐待っぷりがエグイ」

チャウ・シンチー監督作品「ミラクル7号」の感想です。2度目の鑑賞ですが、けっこう内容を覚えていた自分の記憶力をちょっと褒めたい。 一時期シンチーにドハマリしてたので、好き好き過ぎて覚えていたのかもしれません。シンチーのDVD-BOXとか持ってたんだよね。もう手放しちゃったけど。

2008年公開だから10年以上前の映画です。公開当時は主人公の男の子が「実は女の子だったんだよ~」ということで話題になってましたね。それにしてもチャウ・シンチーは貧乏な役がよく似合います。今回は父親役ということで、良い感じに渋くなって素敵です。私の知っている限り、チャウ・シンチーが出演した最後の作品のはず。この映画以降は監督業に専念しているようで、俳優としては活動していません。

ストーリーは、超絶貧乏な親子(家は崩れかけ、持ち物はゴミ捨て場で拾ってきたもの)が、宇宙からやってきた不思議な生き物(命名ミラクル7号、呼び名ナナちゃん)と出会うことで、感動の物語となる、のかなぁ……。

主人公のディッキー(シュー・チャオ)が勝手にナナちゃんに希望を抱いて、願いを叶えてくれないからってトイレの中に突っ込むシーンとか、けっこうエグイんですけどね。トイレで水攻めにしたあとは袋に詰め込んでゴミ捨て場にポイする非情さ。ま、あとで自分が勝手に思い込んでいたことを反省してナナちゃんを助けに行くんですが、すでに収集車に連れ去られたあとでした。

泣きながら家に帰ったらナナちゃんは先に帰っていて、パパ(チャウ・シンチー)が「これ何?」って聞くんですね。ディッキーが「友達に借りたおもちゃ」と答えるもんだから、珍しがったパパが引っ張ったり潰したりやりたい放題。ナナちゃんが痛めつけられているの見て、「本当は宇宙からやってきたんだよ」と説明しますが、パパは「嘘をつくな」と怒ります。

ナナちゃんは、どうやら物質でも生物でも傷を修復できる能力があるようです。この能力が、後に事故で死んじゃうパパを生き返らせるエピソードに繋がります。ただね、このようにけっこうな虐待を受けていたにもかかわらず、なんでナナちゃんは自分を犠牲にしてまでパパを助けたのか謎。後半はディッキーと仲良くしていた描写はあるけど、パパとはとくに触れ合いもなかったし。それでも死んじゃったパパを見て悲しそうに目を潤ませるナナちゃんに胸キュンです。

あ、この映画ではシンチー作品の常連さんがけっこう出ています。パパの仕事場のボスにラム・ジーチョン、少林サッカーでは太っちょの軽功使いでカンフーハッスルではチャウ・シンチーの弟分でした。体育の先生も、少林サッカーにもカンフーハッスルにも出ているメガネが特徴のイヤミな人。この映画ではちょっと太ってたね。そしていつもディッキーを見下すカオ先生はリー・ションチン、シンチーの最新作「人魚姫」で主人公の人魚話をバカ笑いしながら聞いていた警官役で、「西遊記~はじまりのはじまり~」では沙悟浄役でした。

あと、ディッキーの夢のシーンでは、シンチーの前作と前々作を思わせるシーンがいくつかありました。ディッキーがサッカーボールを蹴り上げてゴールを壊す場面は少林サッカーだし、大空に羽ばたくシーンはカンフーハッスルのラストのまんま。

少林サッカー、カンフーハッスルの流れで見ると、お笑い要素が少ないし激しいアクションもありませんが、シンチーの親子愛はグッとくるものがありますね。とくに、ユエン先生から「パパが死んじゃったの」と告げられるシーンのディッキーの涙の演技は泣けます、号泣です。そして翌朝しれっと生き返ったパパが横に寝ているシーンでのディッキーの涙も泣けます、号泣です。

しれっと生き返ったパパはディッキーの学校のユエン先生(キティ・チャン)に恋心を抱きますが、しょうもないこと(イケメン過ぎて困っちゃうとか)いってるので相手にされません。それからパパを生き返らせて力尽きたナナちゃんを、親子でどうにかしようとあれやこれや手を掛けるシーンはほんわかします。ぬいぐるみになったナナちゃんに電池入れようとしたり、電気ショック与えてみたり、点滴まで施します。

ラストは、宇宙船がやってきて大量のナナちゃんにソックリな生き物がディッキーに向かって駆け寄ってくるシーンでエンド。ハッピーエンドなのかしら? でもナナちゃんはぬいぐるみになったままだし微妙ね。

※画像(youtubeより)

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